横辷り

塩出麻美

2024年 9月 6日

9月 22日

SOM GALLERY

SOM GALLERY は、9月6日(金)から9月22日(日)まで、塩出麻美による個展、「横辷り」を開催いたします。本展は、塩出にとって初めてSOM GALLERYにて開催される個展となります。
本展では、塩出の代表作品群である、ポール・セザンヌの「りんご」をモチーフとするシリーズであることに加え、130号の大作を含む作品群で構成されます。

塩出麻美は、油絵具とアクリル絵具とを用いて厚く描いた静物画に、金網や目の粗い麻布を押し付けて、その結果浮き出てきた絵の具によって作品を作り上げています。絵の具の凹凸によって画面が構成される塩出の作品は、絵画は平面であり、二次元的であるという概念を覆し、2.5次元となる新たな絵画表現及び領域の拡張に挑戦しています。

「りんごが「在る」とは、どういうことでしょうか。
そもそも絵画の中に描かれるリンゴは、果たして在る、のか。

かつて花田清輝は『林檎に関する一考察』の中で、 “林檎の中には種が入っているか”
という疑問を芸術家に突き付けました。このような古典的な主題を持つこと自体が垢抜けなくなって久しいですが、私は、地べたを這って、指先で一つずつ確認して、「もう一度」でないりんごを見たい。

この欲求に導かれる表現には、絶望と反省が付きまとい、一人の人間の置かれている様々な状況が自然と浮かび上がってきます。
絵画について、定義されている領域を拡張せざるを得ません。

そして、コピーでないものなんてあり得る、のか。
でも、そろそろ在り得るのじゃないか。
在るとしてもいいのではないか。
りんごになるにはどうすればいいのか。

その為のキーワードが、観ていただいたみなさんの中で思い浮かぶ展示になればと望みます。」

2024年 9月 塩出麻美

塩出麻美は、愛媛県生まれ。2024年に東京藝術大学大学院 美術研究科 博士後期課程を卒業後、現在は茨城県を拠点に、作品を制作し、発表しています。
主な個展として、「シオデノミ4」Gallery b. Tokyo (東京、2017年)、主なグループ展として、「ART FAIR ASIA FUKUOKA」SOM GALLERY(福岡、2023年)、「ARTISTS' FAIR KYOTO」 京都文化博物館(京都、2023年)、「中之条ビエンナーレ」五反田学校 (群馬、2019年)、「ある部屋」奥野ビル306プロジェクト(東京、2019年)等。

本展覧会において、塩出は大作を含む、約7点の新作平面作品を発表する予定です。
本展への皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。


Works

Installation View