Hazama

山下誠人

2023年 5月 27日 ー 6月 11日

SOM GALLERY

この度 SOM GALLERY は、山下 誠人 による初個展「Hazama」を、日本橋馬喰横山にて開催いたします。

山下は高知県出身の写真家、アーティストです。
現代社会の中で大枠の認知の外側に隠れてしまい、つい読み飛ばしてしまうような事象をテーマにし、主に写真表現という手法で開蔵する作業を行っています。

自身初の個展となる本展では、写真機が我々の暮らすこの世界をスキャンし、投影する際に廃棄物として残されたエラーを増幅することにより“表象としてのリアリズム”を解体することに試みます。

例えば、作品「35.714033, 139.773860」では、ストレートフォトグラフィとして生成されたイメージをモニターへデータ出力を行い、投影された像を写真機で再度撮影するという連続行為に基づき一体となる作品群を生成いたします。
複写や合成から生まれる本作品群は、データの海に浮かぶある種のランドマークとしての視点から、シミュラークルとの乖離を表出させるという意図を持ちます。

それぞれが真実を切り取り、映し出しているにも関わらず、連続行為の果てに生み出された作品は、素のデータとはかけ離れたものとして、そこに存在しています。
これこそが、山下の提起する写真機という装置が映し出す「狭間」と言えるでしょう。

また、Googleマップを代表に、写真はシュミレーション行為へと機能を移し、現実世界の拡張を行います。
表層のズレを残したビットデータでシュミレートされるイメージにリアルを求めず、空想世界に従うことで、現代を生きる我々のリアルな感覚は無意識に変容します。

本展では、写真機で映し出す現時点でのリアルを表出させ、進歩する我々の認識の狭間を提示いたします。

今回の展覧会において、山下は同シリーズ作品を約 28点を発表する予定です。

皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げます。

Works

Installation View