How Soon is Meaning?

那須 佐和子 x ジョニー・メイ・ハウザー

2026年 1月 30日

2月 22日

SOM GALLERY

SOM GALLERY は、1月30日(金)から2月22日(日)まで、那須佐和子とジョニー・メイ・ハウザーによる二人展「How Soon is Meaning?」を開催いたします。
絵画と写真という異なるメディアを用いながら、イメージを「示す」ことよりも、その定着や回収から距離を取る態度において静かに呼応する二人の実践を通して、本展は人間中心主義が極限に達した現代、人新世の只中における、芸術のあり方に目を向けます。

人新世とは、人間の活動と価値判断が地球規模の条件として定着し、事物やイメージが人間的な意味作用と有用性の枠組みによって、即時的に編成・回収される時代を指します。イメージが即座に理解され、意味や価値として回収されてしまう現在において、本展は、芸術がどのような条件のもとで、なお成立しうるのかという問いを引き受けます。そこでは同時に、美が消費や説明に還元されることなく、いかなるかたちで持続しうるのかが、二人の実践を通して照らし出されます。

那須佐和子の絵画は、過去の芸術と現在の自己とのあいだに横たわる距離を、拙速に埋めることなく、そのまま引き受け続けます。古典やモダニズムへの眼差しと、同時代を生きる身体との隔たりは、接続されるべき断絶としてではなく、むしろ作品が成立するための前提として画面に保持される。余白や筆致の運動は、何かの意味を確定するためというよりも、時間がひとつの像として結ばれる以前の状態を保つために働き、イメージが歴史や物語へと即座に回収されてしまうことを自然に回避します。
写真を主なメディアとするジョニー・メイ・ハウザーは、感覚が認識に先立つ地点において、知覚のあり方を探求しています。静物や風景といった具象的な対象を起点としながらも、彼女の写真は、やわらかく抑制された焦点や節度ある色調によって構成され、即座に理解可能な像として完結することを避けています。画面に漂う静けさは欠如や不在としてではなく、見るという行為が急がされることなく続くための条件として現れます。ハウザーの作品において、意味は表象を通じて与えられるものではありません。感情や記憶は説明されるのではなく、見るという経験のなかで徐々に立ち上がります。そのためイメージは、可視化や命名、評価といった回路にただちに回収されることなく、確定しきらない状態に置かれ続けます。

芸術の自律性は、達成される理想というよりも、芸術が特定の意味や価値、用途の体系にただちに組み込まれてしまうことへの違和感として、ひとつの位置を占め、機能してきました。意味づけや評価が唯一の関係様式として固定されてしまうとき、芸術はその多義性を失いかねません。芸術を一義的に回収しきれないという想定を、思考のうちに留め続けること。その反復は、人間中心主義が極限に達した現在においても、芸術を芸術として考え続けるための条件のひとつとして残されています。

那須とハウザーの実践において、イメージは意味や価値としてただちに確定される対象として現れるわけではありません。それは、理解や評価といった人間中心的な枠組みを否定するためではなく、そうした枠組みの中に、作品が完全には収まりきらないからです。本展は、そのような状況がどのように生じているのかに目を向けながら、芸術が引き続きどのような条件のもとで成立しうるのかを、結論ではなく問いとして引き受けます。

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