Reflection (Times)

渡邊涼太

2024年 8月 3日

8月 25日

SOM GALLERY

プレスリリース

SOM GALLERY は、8月3日(土)から8月25日(日)まで、渡邊涼太による個展、「Reflection (Times)」を開催いたします。本展は、渡邊にとって、SOM GALLERYで開催される初の個展であることに加え、約3年ぶりに開催される個展となります。

本展では、現在の渡邊の地点を表すことを意味し、昨年より発表を開始した、ポートレート作品である「星屑」に、筆跡の濃淡を使い分けた「Sirius」を発表いたします。

渡邊涼太は、2023年に東京藝術大学大学院美術研究科にて修士課程を修了後、東京を拠点に作品を発表しています。渡邊は、筆で純粋に描く行為と、自身で作成したカッターナイフ等を用いた道具で絵の具を載せて削るという破壊行為を一つの画面で行い、画面にそれらの痕跡を残しながら、作品を制作しています。渡邊は、絵画が絵画たりうる根源を追い求めると同時に、時代の鏡面としてのポートレートや風景を描いています。渡邊の絵画技法は、筆跡の生々しさ、濃厚さを漂わせるルシアン・フロイドや要素を削ぎ落とし本質に迫ったアルベルト・ジャコメッティなどの実存主義を踏襲し、現代のアプローチへと転換し、キュビズムに通ずる絵画史の更新へ挑戦しています。

私達が生きる現代は、情報が錯綜、改変、希薄化しており、時代が有する絶対的象徴は実態を伴わず、崩壊したまま、複数の要素が個人を形成し、それぞれの小さな物語が誕生しています。渡邊は、このように文脈が空虚なものとなり、個人を形成するものも多様な様相を帯びている無秩序な時代の鏡として、絵画を作り上げています。
近代以前の絵画が、権威や時代の軌跡を閉じ込めたように、人間存在の本質が揺らぎつつある過渡期だからこそ、渡邊は自らの手で痕跡を刻み込み、画面の中に閉じ込めます。

渡邊涼太は、1998年埼玉県生まれ。2023年に東京藝術大学大学院美術研究科油画修士課程を卒業後、現在は東京を拠点に、作品を制作し、発表しています。
主な個展として、「Horizon」ロイドワークスギャラリー (東京、2021年)、主なグループ展として,「DRAW LINES & SHAPES IN MY MAPS」 T&Y GALLERY(ロサンゼルス、2024年)、「DOOMs」SOM GALLERY(東京、2023年)、「SO」HIRO OKAMOTO(東京、2023年)、「Untitled」SOM GALLERY(東京、2023年)、「1998」GALLERY ROOM・A(東京、2022年)等。

本展覧会において、渡邊は大作を含む、約5点の平面作品を発表する予定です。
本展のオープニングに寄せて、8月3日(土)17:00 - 19:00にはSOM GALLERYにて、作家を囲んでのオープ ニングレセプションを開催いたします。

本展への皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

展示批評文
南島興「リアリズムの探求」

Works

Installation View