Traces of shifting dust

辰巳菜穂

2024年 2月 17日 ー 3月 10日

SOM GALLERY

SOM GALLERY は、2月17日(土)から3月10日(日)まで、辰巳菜穂の個展「Traces of shifting dust」を開催いたします。SOM GALLERYでの初個展となる本展では、ポストインターネット時代における辰巳独自の風景画作品を発表いたします。

​辰巳の作品は、Googleストリートビューを用いて、実際に撮影されたストリートをモチーフに描き、画面における解像度のズレと自身が描きおこす上で生まれるずれとを描き重ねて配置することで辰巳独自の風景画を描きます。

今回の新作では、ストリートビューでモチーフとなる場所を選択し、1方向の視点とは異なるアングルの画像や過去の画像など、複数枚の画像からストリート風景を再構築します。再構築することでデジタル上の「バグ」を増幅させ、新たなストリートのモチーフを作り上げます。
これらのモチーフをもとに、ペインティングを行い、デジタル空間に生成されたバグと自身が描きおこす上で生まれるずれとを重ね合わせることによって、辰巳が描く風景が現実世界に拡張され、絵画の表面として現れてきます。

風景画を描くという行為において、辰巳は、風景が内包する時間性や偶然性に着目しています。
人が目にする景色は、同じ場所の同じ角度からの景色であったとしても、全く同じものがそこにあるわけではありません。景色は、時間、天候や季節等、様々な条件のもとで、絶え間なく変化しています。つまり、私たちが視認するおおよその景色は、過去の全ての偶然性が堆積した結果としての景色が目の前に表出しているのです。
辰巳の描く行為の積層によって、画面が構成されていくエラーは、現実世界の景色の内実と類似した形成過程を辿っていると言うことができるでしょう。

​辰巳菜穂は、福島県郡山市生まれ。筑波大学芸術専門学群建築デザインを卒業し、現在神奈川県を拠点に活動しています。主な個展として、「Fragments」Roid Works Gallery(東京、2022年)、「Deeper Light」Gallery A8T(仙台、2022年)、「Sky, Shadow, Alley」SCÈNE(東京、2021年)。主なグループ展として「ART SESSION」銀座 蔦屋書店(東京、2023年)、「デジャヴ・サバーブ 歩道の段差に気をつけろ」 Feb gallery(東京、2023年)「Being and Time」Powerlong Art Center(中国 上海、2022年)「Keep in touch」Feb gallery(東京、2021年)等に参加。

本展覧会において、新作平面作品を、約15点ほど発表する予定です。
2月17日(土)19:00 - 21:00にはSOM GALLERYにて、レセプションパーティーを開催致します。

本展への皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。 

Works

Installation View